137MHz帯専用の受信アンテナ製作記


デコードソフト【 WXtoImg 】を用いた受信体制を構築しましたので、コンテンツ内容を一新しました。
新しいバージョンは、こちらからどうぞ。
※今まで、NOAA衛星を受信するのに既存のディスコーンアンテナを用いていましたが、利得や画質の面で満足できる状態ではありませんでした。 今回、中村氏の紹介で海外のサイトで見つけたクワッドリファイラー(Quadrifilar)という同軸ケーブルを用いたアンテナの自作に挑戦しました。自作を考えておられる方に、参考になればと思います。

◎137MHz帯専用の受信アンテナ。その1。

  1. 外観
    とりあえず、ホームページから入手できる資料や図面を参考に、そのままの寸法を設定し、あとは、外観写真から見よう見まねで製作しました。完成はこんな感じです。
    高さは約76cm、最大直径は約27cmの大きさです。これは、軒下につり下げて使用するようです。なお、参考にさせていただいたホームページは、こちらです。Ruud Jansen氏、ありがとうございます。

  2. 主な材料
    余っている同軸ケーブル(5DFB、約5m)を使用して、その他の材料は、近くのホームセンターで購入しました。インシュロックや接着剤等の材料をすべて含め、同軸ケーブルやコネクタを除けば、1000円でお釣りがきます。

    材料 数量 参考価格
    内径13mm水道用のエンビパイプ 1mを2本 400円(200円×2)
    内径13mm水道用のT型エンビエルボ 2個 160円(80円×2)
    プラスチックパイプ(8φ) 1m 80円

  3. 組み立てに際して
    意外に組み立てには工夫が必要でした。特に180°ネジるところにコツが要ります。また、加工は簡単なのですが、ネジやパイプの穴を開ける位置等、全体のバランスを取るのに、少し手間取りました。
  4. 周波数特性の確認
    知人に周波数アナライザーを借りて、周波数の共振点を測定しました。すると、周波数がかなりずれており、なんと150MHz付近に共振点がありました。正直言ってショックでした。
  5. 実際の受信
    今のところ、共振点が大幅にずれているにも関わらず、今までのディスコーンアンテナに比べて、Sで2〜2.5改善されています。 ただし、アンテナ本体を回転させることで指向性が発生しています。この指向性が発生していることが、良いのか悪いのか判断に苦しみます。 でも受信の状態は、間違いなく改善されているのだけは確かです。
  6. 最後に
    とにかく今の状態でも受信は改善されているのですから、アンテナのマッチング調整を確実にすれば、かなりの受信条件改善が期待できます。
◎137MHz帯専用の受信アンテナ。その2。

  1. 外観
    このたびインターネット上にて、上記とは違った製作しやすいと思われるQRHアンテナを見つけました。前回試作した経験を生かして、今回は屋根の上に設置することを考慮して防水性も考えました。
    アンテナ本体の高さは約60cm、最大直径は約38cmの大きさで、前回試作したものより高さ方向で一回り小型です。なお、参考にさせていただいたホームページは、こちらです。まず、図面や外観写真をダウンロードして下さい。Sindre Helvik(W3KH)氏、ありがとうございます。

    ポールに固定した設置例です。   (アンテナ部分拡大)


  2. 主な材料
    余っている同軸ケーブル(FRGケーブル、約3m)やACコードを利用して、その他の材料は、今回も近くのホームセンターで購入しました。インシュロックや接着剤等の材料をすべて含め、同軸ケーブルやコネクタを除けば、1500円でお釣りがきます。

    材料 数量 参考価格
    内径13mm水道用のエンビパイプ 1mを3本 600円(200円×3)
    内径50mm水道用のエンビパイプ 1mを1本 300円
    内径50mm・エンビパイプ用キャップ(蓋) 1個 50円

    ◎皆様のご要望により、アンテナ製作に関する資料をまとめました。
    圧縮ファイルにしてありますので、解凍してお使い下さい。
    (エクセル、JPG、テキストの3ファイルを圧縮しました)

  3. 概略組み立て手順
    1. メインになる50mmパイプに13mmのパイプが貫通する穴を6ヶ所開ける。なお、寸法は図面の通り。それぞれ90°にパイプが通るように下穴を正確に開けること。またパイプ内部にケーブルを通すので、上部・下部の13mmパイプセンター部分にも適宜穴を開ける。

    2. 同軸ケーブルとACコード(単線)を結線して、上端部分にて半田付けを行う。同軸ケーブル以外のACコードは少し長めに設定しておき、後で余分な部分を切断する方が良い。

    3. 13mmパイプ6本の両端に、ケーブルが通る穴を開ける。約45°ずらして穴を開けると、横から見た場合に見栄えが良い。

    4. 実際に同軸ケーブルとACコードをすべてのパイプに装着して形を整え、余分なACコードを切断して最下部分にあるコネクタ等の半田付けを行う。

    5. ここまでの作業で、形になりました。受信テストを行い、不都合が無ければパイプやケーブル等を接着剤、インシュロック等で固定します。私の場合、受信テストは地元のATISを受信して行いました。その結果、通常のディスコーンアンテナでS5位の信号がQRHアンテナでは、S3位になり感度がダウンしました。(水平方向の利得は、あまり良くありません。これで、良いのかな?)

  4. 実際の受信
    色々試しましたが、衛星の位置が低い場合(最初と最後)には、今までのディスコーンアンテナの方が感度が良い様です。 次第に衛星の位置が高くなってくると、今回のQRHアンテナの方が強力に受信できます。なお、QRHアンテナが威力を発揮するのは仰角が30°以上とのデータも有るようです。 今まで仰角が高いところを通過する場合は、急に信号が弱くなるデッドポイントが有りましたが、ほとんど気にならない位まで改善されました。 私は今、この二つのアンテナを同軸切り替えスイッチを用い手動で切り替えて受信しています。ただし難点は、切り替え時のノイズが入る事です。これを画像にした場合、白い線となって現れてきますので、結構気になります。ノイズが少ない切り替えスイッチを検討中です。
  5. 最後に
    いくつかの問題点も有りますが、今回製作したこのアンテナは、安価で作り易くその上、特に仰角が高い場合の受信特性が改善されましたので、今のところ満足しています。Sindre Helvik(W3KH)氏、ありがとうございます。

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