新しい137MHz帯専用の受信アンテナ製作記


新たにNOAA専用受信アンテナを製作しました。 最初から数えると5台目のアンテナになりますが、今までのものと比較しても、最も受信感度の良い結果が得られましたので紹介します。 手軽に製作が出来、NOAA受信には、最もお勧めのQFHアンテナです。

  1. 基本となったQFHアンテナ
    こちら 【Bill Sykes and Bob Cobeyさん】のHPに紹介されているQFHアンテナを製作するのですが、少しアレンジして全て銅線(銅の針金)を用いました。 さらに基本的なスタンスとしては、軽量、低価格、材料の入手性が良く組立が簡単、それなりの受信効果が期待できることです。  設置後、地上から見た完成品写真は下記の通りです。 以下に製作上のポイントをまとめます。 なお詳細な寸法等は、【Bill Sykes and Bob Cobeyさん】のHPにありますので、ここでは省略します。

  2. 主な材料
    銅製の針金2φと外径32mmの水道用塩ビパイプが主要な材料です。 インシュロックや半田部分の固定に使用する充填接着剤は、少量で構いません。  これらはすべて、近くのホームセンターで購入できる材料ばかりです。 当然ながら、同軸ケーブルやコネクタ、半田コテや工具は別途必要です。

    材 料 数 量 備 考
    外径32mm、水道用のエンビパイプ 1本 1m
    外径32mm、水道用のエンビキャップ 1個 専用キャップ
    外径2mmの銅線(針金) 約4.7m L+S
    インシュロック 最低8本 屋外用を推奨
    白字消しテープの中の部品 1個 廃棄品の部品活用
    内径2φの絶縁チューブ 約1m 熱収縮タイプ
    速乾性の2液性接着剤 少々 クイック5

    ※銅線針金の太さは、3φでも構いませんし、折り曲げが簡単に出来る工具をお持ちの場合は、パイプでも構いません。 当然ですがパイプの方が頑丈に出来ますが、重量もそれなりに重くなります。

  3. 針金の切断と銅線の組み立て
    まずは針金ですので、軍手は必需品です。 わたしは素手で扱いましたので、数箇所切り傷を造りました。 怪我をしないように注意が必要です。 作業は下記の内容となります。

    @穴をあけた塩ビパイプに2本の銅線を通す。 A寸法に切断した絶縁チューブを銅線に通して、銅線の折り曲げる部分を確認する。 B大まかに曲げておき、180°ねじった状態でパイプ上部の穴に銅線を通す。(ねじる方向を間違わないこと) C半田接合をおこなう部分の銅線を引き出す。


    上部の拡大


    下部の拡大

  4. 半田接合部分の詳細
    ここで白字消しテープの廃材を活用して、銅線を固定します。 この廃材は直径が20φあり、ちょうど塩ビパイプの内径と一致します。 写真の通り半田付け部分を確認し、同軸ケーブルと接合します。 わたしの場合は、まず銅線の半田を済ませてから、同軸ケーブルを半田付けしました。  半田付けの後、速乾性の接着剤で固定と防水絶縁処理をおこないます。 今回のアンテナで防水処理をおこなったのは、この部分だけです。


    銅線を引き出した状態


    各銅線を半田後、同軸ケーブルの引出し


    銅線と同軸ケーブルの半田


    半田部を真上から見た状態


    防水と固定のため接着剤を塗布


    キャップを付けた状態 (ピントがボケました)

  5. 全体的な調整
    最後に全体的な調整をおこなって、【見栄え】を良くします。 銅線ですから簡単に曲がり、外観的な調整は非常に簡単ですが、全体の中央部分で交差するように銅線をうまく曲げます。 さらに少しの衝撃でも銅線は曲がりますので、扱いには十分注意が必要です。  今のところ強風で変形するようなことは、まったくありません。
  6. 周波数アナライザーによる計測
    知人から周波数アナライザー(BR-200、クラニシ製)を借りて、インピーダンスとSWRを計測しました。 いわゆる《作りっぱなし》でも、SWRは【1.2】を確保しています。 今まで製作した中では、最も優秀な値を示しています。
  7. 4ターンバランに関して
    今回の製作では、4ターンバランは省略しました。 念のために周波数アナライザーを用いて、4ターンバラン【あり】と【無し】で比較したのですが、特段SWRやインピーダンスの差異は認められませんでした。 ここでは、一般的に良く用いられる受信アンプは、使用していません。
  8. 現在判明している問題点
    全体が銅線の針金なので、衝撃には比較的弱くなります。 耐風面積が小さいので、多少の風では問題ないと思われますが、例えば大きな鳥が留まったりした場合は、変形する可能性も考えられます。 台風並みの風だと、少々変形する可能性はあります。


    設置した状態@

  9. 大阪で製作した専用アンテナ
    2006年02月に製作した専用アンテナの写真を掲載します。 同軸ケーブルはパイプの中を通したが、基本的な構造は全く同一です。 なお取り付け方法には、若干の工夫を施しました。


    設置した状態A
    真上には、ベランダの天井があるので意図的に傾けた。



    設置した状態B



    設置した状態C
    第一電波工業の取付金具BK-10を使用した。

新しいこのアンテナで実際に受信した画像は、こちらからご覧下さい。

_■もどる■_