基本的な音響・照明・舞台用語集
                                                                                                     
用語 (順不同)
解  説
上手(かみて) 客席から舞台を見たときの、側。
下手(しもて) 客席から舞台を見たときの、側。
大臣柱(だいじんばしら) 舞台前面の左右(かみ・しも)にある柱。略して「大臣」とも言う。例として「袖幕は、大臣まで引いて!」とか。
かまち 舞台の最前部で、舞台と客席の境。舞台でとても大切な部分。踏んだり、物を置いたり、テープを張ったりしてはいけない。
芯(しん) 舞台の間口のセンター。舞台の構築をする際の基準になるライン。最初にテープやテグス等で印を付けてから、図面(仕込み図)に基づき作業を始める。この際、釘を使う場合には必ず会館さんに釘打ち可能かどうかを確認すること。
芯を決めずに舞台を作ると、不都合が発生した場合、すべての位置を調整し直すことになるので、芯決め(しんぎめ)は重要な作業となる。こうなると、特に照明さんがしんどい。(自分の過去の経験から)
反響板 クラシック等PAを使用しない場合、その音の響き、広がりバランスなどを良くするために設置する「音響反射板」のことを言う。
通常、正反(正面奥)・天反(天井)・側反(両サイド)の三つに区分されている。
緞帳(どんちょう) 舞台と客席を仕切る幕。「ドン」と略すことがある。
中割(なかわり) 舞台を半分に仕切ったり、転換時に使用する幕。
舞台中央まで、閉じることができる。
大黒(おおぐろ) ホリゾント幕を隠し、背景を黒にするときに使用する幕。
バックを黒にすることで、スモークを使用すると、光の筋がはっきりと綺麗に見える。
文字幕(もんじまく) 舞台上部に吊られている、照明器具などを客席から隠す黒幕。
(舞台の高さを決める。舞台前から順番に1文字、2文字、3文字)
ホリゾント幕 舞台奥にある幕。照明をあてることで、背景として使われる。
「ホリ」と略すことがある
袖幕 舞台の両側の奥が客席から見えないように隠している幕。
舞台の間口を決める役割もある。
小演台 発表会や説明会など、プレゼンの際によく使用される小さな軽い台。
大演台 入学式などの式典で舞台中央に置く、大きな重い台。
バミリ 舞台上の道具や人の立ち位置などに、テープ等で目印をつけること。
イリハケ 袖から舞台上に入ることをイリ、舞台上から袖に行くことをハケと言う。
主にダンスや演劇で用いられる。
例として、【下イリ、上ハケでお願いしますね!!】
出しハケ 基本的には上記と同様の意味であるが、こちらは人ではなくモノのこと。
マイクや楽器に対して、よく使っている。
例として、【マイクと楽器の出しハケは、誰がするの?】
板付 演目が始まる前(あるいは暗転中)から舞台上にいること。
見切れる 舞台袖にいる、キャストや道具などが客席から見えてしまうこと。
タッパ 舞台上における物の高さを言う。セットの高さはもちろん、劇場の舞台上部(すのこ)までの高さや、時には人の身長も「タッパ」と言う。
例として【このホールは、すごくタッパが高いねえ~】
飛ばす 吊り物を上昇させること。仕込みを終えた後、照明バトンやドロップは電動モーターや綱元によって飛ばされる。一番上まで飛ばすことを【飛び切り】と言う。
シンメ シンメトリックの略。左右対称の事。また、左右の高さなどが釣り合うこと。
盗む(ぬすむ) 舞台上で、仕込み中などに吊っている物(吊物)を、他の作業の邪魔にならない範囲である程度下げておく場合や、音響用語でマイクがいつ使われるかわからない場合などに、少しだけ音量を上げておくことを言う。
また、例として【次のCD、曲頭10秒ほど盗んでちょうだい!!】とも使う。
場当たり 本番と同じような状況で、実際に動いてポジションを確認すること。
リハーサル 練習、稽古のこと。リハと略すことがある。
自主ゲネ 自発的に行う練習、稽古のこと。スタッフ全員で行う場合と、各個人で行う場合がある。特に照明では、PC上で当たりを再現できるソフトが数多くあり、自宅でも自主ゲネが出来る環境になってきた。
ゲネプロ(ゲネ) ゲネラールプローベの略。
本番と同じように、開場から閉場までノンストップで通して行うこと。
逆ゲネプロ(逆ゲネ) その日の最終演目から逆に行うゲネのこと。
逆ゲネが終わった時点で最初の演目の段取りができているので、逆ゲネ終了後、すぐに開場することが出来る。
吹奏楽等の反響板を使った演目でよくおこなわれている手法。
明転(あかてん・めいてん) 舞台の照明をつけて、明るくすること。
暗転(あんてん) 舞台の照明を消して、暗くすること。
また、舞台を暗くして場面転換をすること。
客電(客調) 客席全体を照らす照明。
フロントスポット
(FS:フロント)
客席内部の両側にあるライトで、主にCLの補助的な役割として使われるが、光の方向がはっきりしているので、夕陽などにも利用される。
シーリングライト(SL) 客席の天井、舞台の斜め上からあてるライトのこと。
地明かり 舞台全体を照らす照明。
ピンスポ 人物全体をはっきり照らすことが出来、動きを追って光を移動できる。
MCの時などに使用される。
正式には、ピン(フォロー)スポットライトという。
(通常3つのハンドルがあって、前からアイリスシャッター、カッター、ダウザーの順)
サス 一人だけを浮き立たせるときなどに使う。動きを追うことはできない。
正式には、サスペンションライトという。
(舞台前から順番に1サス、2サス、3サス)
返し(返り) 舞台上の出演者に対して、音を流しているスピーカー。客席方面に音を出しているスピーカーとは別。モニターと言うこともある。
フェードイン
フェードアウト
照明、音響で、光量や音量をだんだんと上げることを「フェードイン」(F.I)、反対にだんだんと下げることを「フェードアウト」(F.O)と言う。
カットイン
カットアウト
照明、音響で、光量や音量を一瞬で上げることを「カットイン」(C.I)、反対に一瞬で下げることを「カットアウト」(C.O)と言う。
調整室 音響や照明の操作を行う部屋のこと。
ホール(会館)さん その施設に常駐のスタッフを、「会館さん」又は「ホールさん」と呼ぶ。ホールホールでそれぞれ【しきたり、決まり】があるので、事前に確認しておくこと。
(例えば、舞台に直釘打ちOKかどうか、とか、ガムテ使用がOKかどうかとか)
現地さん(地方の場合) 通常全国ツアーのライブでは、チーフ・サブクラスは都会から出張するが、その他のスタッフは各地方都市の音響・照明業者に依頼するのが一般的。この地方都市のスタッフを現地さんという。増員さんということもある。
例として、【次の現場、現地音響(業者)はどこ?】
ありもの 舞台道具や、音響、照明設備など、既存の物や会館にあるもので間にあわせること。
持込み 上記と反対に、業者が使い慣れた機器を持参して仕込むこと。全国的なコンサートツアーでは、殆どこの形式が多い。一般的な照明では、演目や主催者側の要求に対して不足分の機器だけを持込むことになる。
乗込み 音響、照明設備など、全て会館にあるものを使用して、オペレーターだけが入ること。最近は、音響機器が安価になってので、音響の現場で特に多くなっている。
マチネ フランス語で、朝・午前のこと。ミュージカル、バレエ、オーケストラの公演などでよく使用される言葉。劇場では昼公演をマチネ、夜公演をソワレ。
お早うございます 業界用語で、出演者やスタッフが交わす代表的なあいさつ。昼夜を問わず、「おはようございます。」から始まり、「お疲れさまでした。」で終わる。
その他には、「よろしくお願いします。」もよく使われる。